じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

屋号で使える事業用口座(振替口座)をゆうちょ銀行で開く方法

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個人事業を開業したので、青色申告のために帳簿をつけ始めた。一般的に「事業用」と「プライベート用」のお金をきれいに分けるべしとするのがお作法のようなので、経費と売上の出入りを事業用の口座にまとめようと考えてゆうちょ銀行で屋号入りの振替口座を作った。

※結局、屋号入りの口座は必要なかったことに気づいたことについては後述

ゆうちょ銀行の「振替口座」は「当座預金」のこと

端的に言うと、ゆうちょ銀行の振替口座は郵便局を除く一般的な銀行でいうところの「当座預金」のことである(当座預金の説明は割愛)。ゆうちょ銀行は、かつて国営だった歴史的な背景から銀行の口座に預けることを今でも「貯金」と呼び、「預金」という言葉が存在しない(現在は同義)。ゆえに、一般に「当座預金」と呼ばれる口座に該当するのが、ゆうちょ銀行で言うところの「振替口座」なのである。

屋号で作るハードルの低い口座はゆうちょ銀行

個人事業の開業届を提出したその足で、郵便局に向かった。昨今、詐欺などの犯罪組織の送金手段として口座を利用されてしまうということもあってか、個人名ではない屋号を名前とする口座を作るには、法人であることが前提となっていたり、固定電話の番号があることが必要であるなど(なぜ今固定電話なのかは疑問だが)、ハードルが高い。

ところが、ゆうちょ銀行の「振替口座」は、これらがあれば開くことができる。
・開業届の控え
・身分証明書
・はんこ

「振替口座を開きたい」と話すと、「『振替口座』でいいんですよね?普通ではなく?」と念入りに確認されるので、自信をもって「『振替口座』であってます」と宣言する。すると、振替口座を解説するための用紙を渡されるのでこちらに記入する。

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振替口座は、基本的には個人名で開かれるが「別名」というエイリアスが定義できるので、この「別名」に屋号を入れ、「別名のみ表示」にチェックを入れることで屋号だけが入った口座をひらくことができる仕掛けだ。

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何に時間がかかっていたのかは分からないが、1時間半くらいかかってようやく手続きが完了した連絡を受けて帰宅。

約2週間後 口座開設のお知らせを受け取る

通常はここまで時間がかかることはないらしい。一度、郵便局から電話があり「大変込み合っていて口座開設が少し遅くなる」と連絡を受けていた。

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これでようやく事業用の屋号が入った口座が出来上がった。

結局、屋号つき口座なんか要らないことに気づいた

せっかく屋号つき口座を手に入れたけれど、別に屋号つき口座なんか要らないことに気がついてしまった。その理由は以下の2つだ。
・BtoCでいうところのCからお金を集めるという行為が存在しない
・お金について事業用とプライベート用をきれいに分けることができない

屋号つきの口座が手に入ると、ちょっとワクワクしてくるが、作ってみてから使い道がないことに気づいてしまった。

BtoCのCからお金を集めることがない

基本的には広告収入をGoogleから振り込んでもらうだけなので、Googleからすれば個人だろうが法人だろうが、どんな口座であろうが、振込先さえ正しければどんな名前の口座であろうとも関係ない。BtoCのCからお金を集めようとしたときは、振込先が個人名になっていると不信感を感じてしまうという側面はあるかもしれない。もちろん、BtoCのCが振込をするときに、振込先が個人名でないからといって安心できるということでもないのだが、一般的な感覚としては、会社の名前であったり、サービスの名前であるほうが安心感があるだろう。しかし、Googleにとってそんなことはどうでも良いことだ。

お金を事業用とプライベート用をきれいに分けられない

教科書的に言えば「お金を事業用とプライベート用を分けるべき」それは正論だ。事業用とプライベート用をきれいに分けないと会計の妥当性が揺らぐ。まったくもっておっしゃる通りで、反論の余地なし。絶対にそうあるべき。

ただ、事業用の口座、事業用のクレジットカードを切り出すということになれば、新しいクレジットカードを用意する必要もあるし、クレジットカードを分けるとなると、これまで育ててきたクレジットカードの与信枠が使えないという不便さもある。また、私が利用している銀行では、そのステータスにより振込手数料がある程度の回数無料になるということもあるので、お金の出し入れは個人で利用している銀行からするほうが有効に活用できる。事業の売上はそのまま個人口座に入ってくれたほうが都合が良いのだ。

青色申告に向けて税金のことや仕訳について学びながら実践していくと、必ずと行っていいほどこの話題に出くわす。「個人のクレジットカードで事業用の経費を支払った場合の仕訳」だ。freeeにはこのような表現がある。

青色申告で個人のクレジットカードで決済した場合
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個人のプライベート用の口座で引き落されるクレジットカードで支払った場合には、購入時に勘定科目に応じて記帳をするだけで、クレジットカード会社からの引き落としの際の処理はありません。購入した日に「(借方)消耗品費 3,000円」「(貸方)事業主借 3,000円」と記帳します。
個人事業主がクレジットカード決済した場合の会計処理方法

つまり、クレジットカードで払おうが、現金で払おうが、小切手で払おうが、手段はどうでも良い。とにかくプライベートの資金から支払ったという「事業主借」であることが表現されていれば良いということである。

逆もまた然りで、売上が立ったときはこれで良い。

仕事の売上が私名義の銀行口座に振り込まれた
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借方は、お金を私個人に貸したと考えて「事業主貸」。貸方は、仕事の売上なので勘定科目を「売上高」としている。
税理士さんの記帳指導!個人事業主は勘定科目「事業主借」「事業主貸」を使おう! – メモラビ

本来であれば、事業用口座、事業用クレジットカードを用意してfreeeに同期させると、ほぼ全自動で経理処理が行われることになる。ただ、現時点での事業規模を考えると前述の通り事業用の口座とカードを切り出すオーバーヘッドが大きいので、あまり現実的ではないという一つの答えにたどり着いた。

一方で、事業用とプライベート用の利用が混ざったクレジットカードをfreeeに同期させて、「事業主貸」「事業主借」を仕分けるという手も考えたが、プライベートのお金の動きまで税務署に見せるのはあまり気持ちが良いものでもない。

結論として、カードも口座も分けないし同期もさせない、ただし、売上と経費は手動で仕分けるというところに落ち着いた。結局、事業用口座も事業用クレジットカードも必要ないという結論に至った。