じっぱひとからげ

十把一絡げになんでもかんでもつづる。

【育児】あなたの夫はそんなに優秀ではないので人材育成が必要

妻は夫のスキルを過信している

 自分自身が子どもをもってからというもの、twitterやブログで時折話題になる、子育て世代のお母さんの夫への愚痴が目に入ってくるので、夫目線でこの事象について自分なりに考察してみる。

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 たくさんの種類の妻から夫への愚痴はあるけれど、結局のところ、私はここで紹介されている、この言葉に尽きると思っている。

ええ。こんなにつかえねー夫だとは思いませんでした
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 この手の妻と夫の子育てに関するすれ違いの根源は「妻の夫に対する過信」に尽きる。こと子育てという観点で言えば、あなたの夫はそんなに優秀ではないので、それなり時間をかけて人材育成が必要だということは認識したほうが良いと言いたい。まず、そもそも不満をぶちまけているあなたの夫は「言われたことを言われた通りにできない」のだから「気持ちを推し量って、何が求められているのかを考えなさい」と言われたってできるわけがないのだ。

 加えて、経験則的に言えば、子育て世代のお母さんとなると年齢が若いこともあり、人材育成という社会経験も少ない可能性が高い。会社などの組織において「人材育成を担う人」は組織の中でもプレイヤーとして優秀なだけでなく、マネジメント的な立場で俯瞰することを求められ、ある程度の大きな裁量を持ち、的確な采配ができる人であることが多い。となると自ずと20代後半〜30代半ばくらいの層になるかもしれない。子育て世代のお母さんで、妊娠・出産・育児が最も大変な時期に、人材育成の重要性や、その手法に精通している人はなかなか少ないのではないかと想像している。

 妻は目の前にいる子どもと対峙し、否が応でも母親として育っていく。なぜなら、目の前の子どもと一緒に母親として成長しなければ子どもの成長に追いつかないからだ。しかし、夫はといえば、相対的に子どもと向き合う時間も少なく、その機会の少なさからいつまでたっても父親として成長しない。

 これは、会社などの組織における人事育成と完全に一致する。「成長」するには「機会」が必要であり、「機会」を得るには「成長」が必要である。

 「夫を育てる」ということの重要性を正しく認識できていない若い世代のお母さんが、夫は優秀な人間であると勝手に過信した結果、子育てに関する夫の愚痴が蔓延しているのだろうと考えている。

 本来であれば、組織において人材を育成するということはレバレッジを利かせられ、対応できる範囲が大きくスケールする重要な活動なのにも関わらず、こと家族という組織においては、なぜか人材育成がおろそかにされてしまう。

 もう一度改めて言っておく。このカルタに共感を覚えているみなさんの夫は子育てという観点においては無能なので、育成が必要なのだ。

子育て基盤に必要なのは「夫の人材育成」

 なぜ妻だけが苦労して夫を教育しなければならないのか?「そこは察せよ」という声があるかもしれないが、個人的にはそれを妻が言うのは反則だと思っている。やはりどうやっても生き物という枠の中で母親である以上は、スキルセットも経験値も父親よりも母親のほうが勝っているからだ。夫という存在はこの4月に新しく入ってきた新入社員くらいのつもりで、教育しなければならないと考えて欲しい。母親として少し経験のある先輩社員が、これまで経験したノウハウを新入社員に教えるというイメージだ。

 ここでコーチングの世界ではわりと有名なこのWill-Skill-Matrixを見て欲しい。このマトリクスは、会社などの組織において、いろいろなタイプの人がいる中で、それぞれどのような育成をすべきかを整理するシンプルなツールである。

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 ここに自分の夫をプロットしてみて欲しい。前述のカルタを眺めていると、おそらく大半の夫は左上の「やる気(WILL)はあるけれど、能力(SKILL)がない」に該当するのではないかと想像している。

 にわかに信じがたいのだが、ときどき見かける「うんちのときだけはオムツを換えてくれないという夫」は、やりたい・やりたくないの話ではなく、「うまくやる方法を知らないだけ」だと想像している。うまくやる方法さえわかれば、うんちだろうが、おしっこだろうが作業そのものにかかる時間はそれほど変わらないし、それこそ子どもを思う気持ち(WILL)があれば、自ずとやり方(SKILL)も身についてくるだろう。やり方さえわかれば、きっと次のステージである「任せられる」ところに進むことができるはずだ。

理系夫の扱い方

 カルタの中には理系夫を揶揄するような表現もあったので理系夫向けの指導方法も書いておくと、理系夫はあらゆる作業において「基準」および「目的・背景」を気にする。そこを明示さえすれば話がスムーズにできるはずだ。

「ミルクを人肌に」ではなく「ミルクを40℃に」というのは冗談としても、「赤ちゃんがやけどしないように、哺乳瓶から一滴手首に垂らしても熱さを感じない程度に」という表現にしたり、「お腹が冷えたり、オムツからそとに漏れないように、オムツはおへそが隠れるようにセット」などの表現にすると良い。理系夫は作業が正しく完了したかどうかの「基準」および「目的・背景」を気にするのだ。それは「面倒くさいやつ」なのではなく、「基準や目的・背景が曖昧なものに対して、適当な仕事をしたくない」という思いから来ているのである。つまり、理系夫は「面倒くさいやつ」どころか「可能な限り仕事を完璧にこなしたい」という思いを強く持った人間なのである。まあ、それを面倒くさいと言われてしまえばそれまでだが。

 また、理系夫に限らず通常夫に対しても指導の仕方には十分注意して欲しい。例えば、うんちのオムツの交換の仕方を指導した後、実際に夫が処理をする過程で服や布団を汚してしまうような失敗してしまったとする。しかし、そのことについて決して夫を責めていけない。それについて夫を責めたとたん、夫は二度とうんちのオムツ交換に協力してくれることはなくなるだろう。なぜなら、うんちのオムツ交換さえしなければ、失敗して責められるようなことにはならないからだ。失敗して責められるくらいならやらなければ良い。このようなネガティブなスパイラルに陥れてはならない。
 夫が失敗したときは、失敗しにくい方法を指導する、失敗したことに対してフォローするといったケアが必要である。「私はいつもこうしているよ。こうすると汚れにくいんだよ」とそのやり方を説明すれば、「おお、なるほど!」と夫も素直に聞き入れてくれるはずだ。
 「なんだよ、夫、クソ面倒くせえな」と思った人もいるかもしれない。「察しろよ」と言いたくなったかもしれない。でもそこをぐっとこらえて、夫を育てるつもりで指導して欲しい。指導の結果、「委任」できるようになった途端、あなたの負担は今よりもずっと軽くなるはずだから。
 

任せる勇気〜私が育児に覚醒した劇薬「ワンオペ」

 正直な話、私はもしかすると子どもが生まれて間もないころは、「やる気(WIIL)もないし、能力(SKILL)もない」という状態だったかもしれない。ところが、ある日を境に覚醒した。それが「ワンオペ」の経験だった。

 ミルクはお湯で溶かせば与えられる便利なものはあるし、オムツの交換くらいならそれほど難しいこともない。平日はいつも妻が子どもの面倒をみてくれていることもあったので、週末くらいはゆっくりしてもらおうと、自らワンオペを願い出た。妻もちょうど、髪を切りに行きたかったところだったということだったので、2回分の授乳含む約6時間のワンオペを引き受けることにした。

 12:00 出発前授乳&妻 出発
 15:00 ミルク(1回目)
 18:00 ミルク(2回目) ここまでには帰ってくる約束

 昼12時に出発前の最後の授乳を終えた妻を見送り、息子と留守番を開始。イージーモードのつもりだったけれど、生後1ヶ月にも満たない息子は、いきなりギャン泣き。どうやらゲップがうまく出ずに泣いている様子だった。
 なんとかゲップをさせて寝かしつけてようやく一息、オムツを換えて、何か始めようかなと思った頃にはもう次の授乳まであと1時間、14時をまわっていた。3時間ごとに授乳の予定だったのに、14:30を過ぎた頃にはグズり出す息子。ここで1回目のミルク。ここからは同じことの繰り返しであっという間に18時がやってきてしまった。
 結局、自由に過ごせた時間など6時間のうち1時間あれば良いところで、それ以外は手が離せるような状態ではなかった。妻が返ってきて本当にほっとしたのを覚えている。待てよ…たかだか週末のたった6時間を息子と二人で過ごしただけでこの疲労と考えると、毎日、そして、毎晩息子と二人で過ごす妻の疲労たるや筆舌に尽くしがたい。ワンオペのキツさを自分自身で経験してからというもの、負荷を軽減するためのアイテムはどんどん取り入れたし、仕事はきっかり定時で終わらせて帰って子どもを風呂に入れるようにしている。
 夫にはワンオペなど任せられない、という人もいるかもしれないが、「命令」あるいは「指示」、「指導」によって勇気を持ってまずは「機会」を与えることが重要だと考えている。実際に夫がワンオペを経験してみないことには、妻の育児の苦労などわかるはずもない。「機会」を与えて、「成長」を促し、最終的には家族全体の最適化が図れるよう、夫の経験値を積ませる人材育成に力を入れよう。夫にいろいろなことを「委任」できるようになったら、あなたの負荷はずっと軽くなっているはず。